こんにちは、みやまです。
少し前から呪術廻戦にハマり、漫画アプリや呪術廻戦ファントムパレードなどのストーリーで少しずつ履修を進めておりました。
そして先日、映画呪術廻戦0とアニメ2期を一気観しまして、ぐわぁぁぁと心臓がやられたところです。先が気になりすぎる。
映画呪術廻戦0
乙骨くんの人となりを知ることが出来てとても良かったですね。
2年生たちが、1年生だったころのお話、夏油くんがまだ生きていたころのお話というのが新鮮でした。アニメ1期の範囲だと、何となく乙骨くんに怖いイメージがありましたが、実際は優しい青年で苦しみながらも前に進もうとして、何より「一人が寂しい」ということを受け入れて努力できる人でした。
寂しい、という感情を素直に受け入れて、誰かと人間関係を築いていくために、人の役に立つために、努力し続けるというのはなかなか出来ることではないですよね。
私たちも、寂しいという気持ちを抱えながら、実際はその感情に気が付かずに、どのようにその苦しさを処理していいのか分からなくて八つ当たりをしたり、体を痛めつけるような行動で紛らわせることがあるのではないかと思います。
人間、人とのつながりなしでは生きていくことができないと思っています。寂しいという気持ちは、人とのつながりを求める感情の1つではなないかとも思います。
自分の感情に気が付くこと、そうして行動を改めることは人間関係を改善していくために必要になりますね。人間関係は、行動のあとについてくるものという描写も納得感があって良かったです。
夏油くんとの戦いでは、純愛を観ることが出来ました。やりとりがカッコよかったですね。リカちゃんを受け入れて共に戦うあたりに、やはり乙骨の人間性が見える気がします。
「最期にもう一度 強く抱きしめて そのあとはもう何も要らないよ」
バッチリな歌詞でエンドロールでも鳥肌が立ちましたね。夏油を倒した後のことは何も考えず、今この時に死ぬ覚悟で臨む乙骨という情景が浮かびます。
…これも個人の感想なのですが、なんというか、夏油くんすごく態度が悪かったですよね(?)
猿の前だからなのか、家族以外の人の前だと、なんというか、全てどうでもよいと言うような、見下す姿勢を隠さないというか、あえてそのようにしていたのか、これぞ悪という描かれ方をしていましたね。
何となく、若いころの五条先生のような吹っ切れたおちゃらけた雰囲気と言いますか、大仰に演じることで人を惹きつけることを狙っているのか、心が壊れてそのように進むしかなかったのか、胡散臭い教祖様のような雰囲気がよく出ていましたよね。ちょっと興味深かったです。
懐玉・玉折
澄んだ青がよく似合う「懐玉・玉折」、若いころの五条先生がすごく輝いて眩しく見えて、大人になってから思い返すかけがえのない青春時代という憧憬を感じました。
五条先生の成長と、夏油くんの善意が枯れていく様子が描かれているのですが、呪術界では真面目な人は向いていないことが良く分かりますね。五条先生は、呪術界の上層部は腐っていると話していましたが、腐っている業界と真面目な人の組み合わせは本当に人間を潰すと思います。
現実、エッセンシャルワーカーと呼ばれる人々、私も働いた経験がありますが、自分の善意が枯れていく感覚というのは確かに存在しますよね。
人を救いたい、人の役に立ちたい、という気持ちと覚悟を持ってその職業に就いたはずで、専門職たる責任を果たさなければならないということも分かっている中で、毎日自分が誰かに消費されている感覚、ケアの対象である人間や同じ目標を持っているはずの同僚が憎くて仕方がない心理状態、苦しくて吹っ切って暴れてしまいたい、そもそもケアが必要な人がいなければ…そんな葛藤。
個人的には九十九さんの根治を目指す方法も間違ってはいないと思うのですが、それは現代で極端に例えるなら「病院のない世界を作る」ことに似ている気がしています。全員が疾病の予防方法や適切な対症療法について学ぶことが出来れば、病院は必要ないのかもしれません。そのほかにも病気にかからない個体が増えれば、そもそも人間がいなければ、病院など必要がない…ということですね。
学生時代、理想を掲げて多くを学んでいたあの頃が最も楽しかったと思えます。誰かのために全力を尽くせる喜びは、社会に出ると搾取という名前に変わって、疲れ果てるまで搾り取られてしまいます。理想は理想でしかなく、現代社会のいかに腐敗しているかを目の当たりにして、自分が消費されるだけの日々に耐えられなくなるのです。
一生懸命に努力していた学生時代、腐った社会に適応できる人間だけが残っていくなんて想像していませんでした。社会へ適応していくことで、自分が嫌いな自分になっていくことがこんなにも辛いと思っていませんでした。
色々思い出しながら夏油くんと五条先生のやり取りを見て、彼らにはきっと他の道もあったのだろうと思います。
シャワーの音や雨が窓ガラスをたたく音が拍手に聞こえ、フラッシュバックしてしまうような状態の夏油くんに必要だったのは心情を吐露できる存在だったのでしょう。そして、人間がいなくなってしまえばという考えを研究者に肯定されるのではなく、人間としてそれは良くない!と叱ってくれる身近な友人の存在が必要だったのではないかと思います。
選択した夏油は倫理的には間違っているかもしれませんが、決断して、退路を断つというところに夏油の人間性が出ていて、彼にとってもっと良い選択があったのではないかと思わせてきます。心苦しいですね。
渋谷事変
OPがぴったり過ぎて、毎回飛ばすことが出来ずに見入ってしまいました。たくさんの戦闘があり、たくさんの人が亡くなって、たくさんの人が大怪我をしましたね。
序盤、メカ丸の戦闘は某エヴァンゲリ〇ンを思い出すようでした。最期に健康体で戦闘できたのは良かったのか、望まなければ違う未来もあったのか、京都校のみんなが新幹線で渋谷に向かっている描写には、悔しさが溢れているように感じました。
五条先生の封印、全力の戦闘シーンはとてもカッコよかったですね。五条先生の良いところの1つに冷淡さがあると思っているのですが、変に情を移さないところ、やるときはやるところと言いますか、とても良いですよね。遠慮なく祓うのは、本当に頼りになる感じがします。
宿儺が人と話す機会も多くあり、彼の思考が少しだけ見えました。作画がすごくよくて、めちゃめちゃカッコよかったです。呪いの王。戦闘シーンは本当に目が離せなかったです。頭の回転も良く、動きも速く、力もある、ついついカッコいいと思ってしまいます。ただ、日下部さんの発言で呪いの王は「脅威である」と改めて思えたのは良かったです。
伏黒パパは相変わらずのカッコよさ、息子の存在を知って自害する優しさが良いですよね。呪術界で呪力のない存在、どんなにしんどい思いをしていたのか。息子を売り渡す約束をした後の、後悔と葛藤が混じっている横顔がとても印象的でした。自分のように苦労しなければよいと思う親心、不器用な感じもあって、伏黒くんに一切伝わっていないのも良かったですね。
お兄ちゃんこと、脹相、まずキャラデザが好きです。普段は無関心なのに、弟に関するときだけ沸点が低くなるのも良いですね。なぜ、兄弟はみんな痛そうな名前なのでしょう。腫脹の脹、腫れているような感じがして痛そうです。これから仲間になるのか…いや、お兄ちゃんになるのか(?)もう既にお兄ちゃんなのか(?)とても面白いキャラクターなのでこれからが楽しみです。
野薔薇ちゃんの回想、ふみちゃんが田舎に引っ越してきて隣人のおばあちゃんに赤飯をもらうところ、物凄い嫌悪感がこみ上げてきました。つまり、月経が始まったことが村民に知れ渡っているということと思うのですが。そういう田舎に住んでいたのに、野薔薇ちゃんは卑しさもなく、真っすぐ元気に育って良かったです。渋谷事変の時点では、生死については不明なままですが、生きていてほしいですね。
七海さん、結構推している好きなキャラだったので、亡くなってしまって悲しいです。疲れた…という声が、本当に心に来ます。そりゃあ、あれだけの戦闘を繰り返していたら、あれだけの怪我を負っていたら、そうですよね、楽になりたいですよね。しんどい時に付け入ってくるのも「呪い」で、隙だらけの状態だった、そこまで追い込まれた、そういう背景がよく理解できるのもこの心苦しさに拍車をかけます。
虎杖くんと、真人との戦い、壮絶でしたね。東堂の登場シーンはめちゃくちゃ激熱でした。カッコいい…!!高田ちゃんもめっちゃカッコいい!!東堂の「おかえり」がとても優しくて、高校生にして、どうやったらそのような人間性を育むことができるのでしょうかと疑問でした。
人間の負の感情が澱のように溜まっていき具現化したものが呪霊ならば、人間の呪いである真人「こそ」が呪いであるということも納得できますし、誰もが負の感情を心に飼っていると思うと、俺はお前だということも分かります。虎杖自身が、自分の負の感情と戦っているような、そんな戦闘のように感じました。
正しさというペラッペラの正義の押し付け合いが戦争だと、真人は言っていましたが、本当にその通りですよね。ケンカや戦争、人々の争いはほとんどの場合、自分が正しいということを証明したいがための戦いな気がします。たくさんの人の負の感情と、人間が理性として獲得した尊厳、どちらも本当だと思いますし、本来は戦うものではないのかもしれないとも思います。苦しい気持ちになるのも本当、でも凛としていたいのも本当…夏油くんの葛藤のようですね。
真人は最後に狩られる側の気持ちがわかって、これもとても人間らしくて良いと思いました。恐怖に駆られて、逃げ出したくなる気持ち。本能の通りに生きた、人間らしい呪霊でしたね。
夏油くんの体を乗っ取っている脳みそが結局誰なのか渋谷事変直後でははっきりとしないままですが、夏油くんの体を良いように使い、自分の操作範囲外に混沌を作ると大量の呪霊を放つあたり、かなりの冷酷さを感じますね。
五条先生と夏油くんが渋谷事変を二人で企てたこと、学長が唆したこと、視聴者目線でも辛い判断をされるあたり、やはり呪術界上層部は腐っていると感じたのでした。
とりあえずは小学生のように印象的だったシーンについて、繰り返しアニメを見て余韻に浸ろうと思います。呪術廻戦のアニメ2期は心がズタボロになるよいアニメでした。
懐玉・玉折は総集編が映画になりますよね。観に行きたいと思うのですが、人がいっぱいで予約が取れるのか心配です。様子を見て、観に行こうと思います。